学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)とは、全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。
それは知的な発達全体の遅れからではなく、認知発達の部分的な遅れや偏りから起こります。 ここでいう認知とは、子どもが見たり、聞いたり、さわったり、運動をしたりするとき感じるさまざまな刺激を、脳の中に取りこむ高次な知的働きを指します。推理や思考等も認知過程の一部です。
親の目からは、LDの特徴はどんな風に見えるでしょうか。 まず、 はっきり知能が遅れているとか、なにか障害があるとは思えないということです。でもなんでもないのかというと、その育ち方になにか他の子どもとは違ったひっかかりや気になるところ、育てにくさがあるというのがよく聞く共通点です。
視覚や聴覚などの、知覚的な鋭敏さや鈍感さ、あるいはこだわりの強さなどは、認知面にその子ども特有の発達的特徴が反映しているからなのです。ADHDや高機能自閉症など、他の軽度発達障害にも共通するのですが、男児に多く見られるという特徴もあります。そのために男の子だから発達がゆっくりしているとか、元気がいいだけだとか、発達的に幼さが残りやすいなどと見過ごされやすいのです。
学習障害は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」の学習に必要な能力のうち、一つまたは二つ以上について身につけることが難しい障害です。