子どもを「ほめること」の重要性【2】
注意! 対応の「意味」は「相手の立場」で考える。
「褒める→やる気になる」
「叱る→反省する」
とは限りません!!!
- 音や刺激に過敏な子どもは、大きな声や抱きしめたりの「褒める」表現を嫌がっているかもしれません。
- 大人が叱っているつもりでも、子どもは「注目してもらえた」と喜んでいるかもしれません。
※「相手にとってどうか」が重要、実際に望ましい行動が増えているか、不適切な行動が減っているかを評価することが重要。
ハトも「行動のABC」を学習する!
- 【強化】「つつけ」の文字版→つつく行動→エサが出る
- 【消去】「つつけ」の文字版→つつく以外の行動→エサが出ない
- 【強化】「まわれ」の文字版→まわる行動→エサが出る
- 【消去】「まわれ」の文字版→まわる以外の行動→エサが出ない
動物に対しても応用行動分析学の原理は適用される!!
※「ABC」とは
A:行動の先行事象(Antecedent)
B:行動(Behavior)
C:行動の結果事象(Consequence)
子どもに当てはめると・・・。
- 【消去】「嫌な仕事・課題」→嫌々やる→誰も褒めてくれない、次の課題が出る【消去】
- 【強化】「嫌な仕事・課題」→かんしゃく・仮病→「じゃあやらなくてもいいよ」【強化】
- 【消去】「授業中ヒマ」→きちんと授業を受ける→誰も注目してくれない【消去】
- 【強化】「授業中ヒマ」→奇声をあげる・ふざける→みんなが注目してくれる【強化】
過去の講演での感想
講師の先生は次の感想を聞いて、「しまった。これではいけない・・・」と考えました。
【親】
「私の対応が間違っていたのだと、反省させられました。今後は、今日教えていただいたことを参考に頑張りたいと思います。」
【先生】
「やはりお母さんが子どものいいなりになっている現状が、問題の原因であることを再確認しました。これからは、行動の原理を率直にお伝えして、毅然とした対応をお願いするようにします。」
親子関係の悪循環をABC化すると・・・
【子ども 強化】欲しいものがある→かんしゃくを起こす→欲しいものが手に入る。
【親 強化】子どもがかんしゃくを起こす→欲しがっているものを与える→静まる。
この親子関係を分析すると・・・
- 子どもの「かんしゃく」が強化されるとともに、親の「子どものかんしゃくに応じる行動」も強化されている。
- 「強化された行動」は、将来起こりやすくなり、定着しやすくなるのだが・・・。
- 親の対応は、「自然なリアクション」であり、この悪循環はある意味で「自然な結果」、「誰にでも起こり得る当たり前の状況」であるといえる。
なので・・・
- 先生や支援者は悪循環に陥っている当事者を責めないでください。
- 悪循環に陥っている自分自身を責める必要もありません。
※悪循環を断ち切るためには・・・
- 対象者のABC、対象者に関わる人(時には自分自身)のABCを把握する。
- 現在問題が維持されているのは、行動の原理から考えると「当然のこと」であり、ある意味で「仕方のないこと」であると認識し、そこからスタートする。
- 「問題を解決すること」とは、今の「自然なリアクション」と「あえて違う“不自然”な方法」を実行しようとする(場合もある)。これは大きなチャレンジであることを共通認識すること。
忘れてはいけないこと・・・
■人が原因ではない、その行動に原因がある。■
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