「スモールステップ」の大切さ
「スモールステップ」の大切さ
(1)現状
- 「この子、ほめるところがないんです」という訴え
- 確かに「一度もやったことがない行動」を褒めて強化することはできない
- 新しい行動を「ほめて育てる」ということは「本当に」できないのでしょうか?
(2)イルカの曲芸
【イルカがジャンプして輪をくぐるのは、どうやって覚えるの?】
輪の下に来たら褒める→輪の下で跳ねたらもっと褒める→輪の下をくぐったらもっともっと褒める→曲芸として出来るようになる!!
(3)シェイピング
- 目標の行動に近付く行動を「強化」する
- 少しずつ「強化基準」を厳しくして、目標に近づける。
- 今を「×」とせずに「○」として、時々混ざる「◎」を増やしていこう!!という発想
例えば・・・
5分しか座っていられない子に45分座ることを目標にするのは無理!!
問題行動を減らすだけでも、褒めるに値する→スモールステップでより良い行動を強化していく。
おわりに
- 正の強化のうれしい結果は「モノ」だけではない。受ける側(子ども側)の達成感や喜びが大事。
- 「アメとムチ→×」「アメとアメなし→○」
- ムチは即効性はあるが副作用が多大である。
- アメは子どもをコントロールするための道具ではない。
- 子どもの生活がアメだらけになってほしいと考えている。
- アメは手段ではない。子どもにとってアメ(快い気持ち)であふれる生活が目標
今回の内容は、あくまでも「一般的な原則」です。
目の前の子どもを実際にどう指導するか、どう支援するかは個別的なもの。
さまざまな困難を抱える子供を含む、すべての子供達が生き生きとした毎日を過ごせることを願ってやみません。
以上で今回のレポートは終わりです。たっくんぼうさんには感謝しております。行動分析学を知ると、親にとって不快に感じる子供の行動の原因(強化)は、実は自分なんじゃないかって思うこともあります。例えば私たちは子供が泣いたり叫んだりすることなく、大人しく静かにしている時に、炊事洗濯など家のことをパパっとやってしまいたいものです。だから「出来ればいつも静かにしてもらいたい」などと思ってしまいますが、実際には家のことをやってる途中で子供が泣きだしたり叫んだりしちゃうんですよね。それは何故か?それは母親にかまってもらいたいからかもしれませんよね。
泣けば母親が近づいてくる。叫べば母親が優しく接してくれる。それを肌で感じてる可能性があるとは思いませんか?
それを考えると、静かにしている時だからこそ、後ろからギュッとハグする・・・などをした方が、子供が静かに過ごすという行動を強化できるのですよね。(僕が静かに過ごせば、ママが優しくギュッとしてくれる)
行動分析の入門書的な良書
メリットの法則 | 話題の奥田健次氏の本です。私も何だかんだ10回以上は読んでるかもしれません。どうしもこのような専門書は難しい言葉で語られたりするものですが、この本は分かりやすい身近な例題で初めての人でもスーッと読めてしまう一冊です。著者は、自ら主催する行動コーチングアカデミーで、発達障害や不登校などの問題を抱える子どもの行動改善も手がける臨床心理士なので、本書の中でも自閉症のお子さんへのある対応方法や不登校児を学校に行かせるまでの方法など、興味深い例題が数多く書かれています。 |
上記の本を読み、もう少し専門的な知識を得たいと感じた人は、下記の本もおススメです。
行動分析学入門 | こちらも私は持っております。読みやすさから言ったら、奥田氏の上記の本ですね。専門的な用語もガンガン出てきますので、私のようなタイプの男は眠くなってしまうこともありますので(笑)、まずは奥田氏の本を読んでみて、そちらで「なるほどぉ!」と思ったら、こちらを読んで、より深い知識を得るの良いかな。今回のパパさんのレポートの中にもあったハトの事例なども書かれています。 |
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