既に現在では特例子会社という言葉も世の中に浸透しているのではないでしょうか。
簡単に言うと、特例子会社は障害者の雇用の受け皿的な立ち位置の会社となります。
もちろん、誰でも準備なく設立できるというものではなく、障害者の雇用の促進等に関する法律の第44条の規定によって、一定の要件を満たした会社が、厚生労働大臣の許可を受けて設立が可能となっており、設立後は親会社の一事業所と見なされる子会社となります。
2014年現在、法律で従業員50名以上を雇用する会社は、従業員全体の2.0%以上の人数の障害者を雇用することが義務付けられております。
平成30年4月1日からは50名以上ではなく、45.5人以上に変更となります。
また、法定雇用率は民間企業の場合、現行の2.0%から2.2%に引き上げになります。
更に、平成33年4月までには、更に0.1%引き上げとなります。
現在、日本には422社の特例子会社があります。(2015年6月時点)
前回、2013年の5月時点での会社数は378社でしたので、2年で44社の特例子会社が新たに誕生したことになりますね。
2017年6月1日現在、日本には464社の特例子会社があります。
2018年6月1日現在では486社となっております。
簡単ですが、下記に一例を掲載してみます。
BOX株式会社は傘下に4社ほど子会社を持つグループ企業であり、、本社では10名の障害者を雇用しないと2.0%の雇用率を維持出来ない。
また、各子会社は3名の障害者を雇用することによってクリアできるのだが、業務の特性上、障害者に任せられる業務がなかったり、障害者を指導する立場の社員を確保するのが難しい現状であるが、本社は何とか10名の雇用を達成して2.0%をクリアすることが出来た。
しかし、グループ企業のうち3社は法定雇用率をクリア出来ていない状況である。
そこで、グループ本社及び各子会社の実務担当者が集まり、障害のある人でも自信を持って取り組める仕事はないかと会議を重ね、事務補助や清掃等の新たな業務を行うための特例子会社設立を申請し、厚生労働大臣の許可を得て立ち上げ、まずはグループ全体の法定雇用率を維持するために、22名の障害者を特例子会社にて雇用することにした。これにより、グループ本社及び各子会社で直接障害者を雇用することなく、法で定められた障害者の雇用率をクリアすることができた。
若干、「違うよ!」というところもあるかもしれませんが、簡単に説明すると、こんな感じですね。(^^)
ちなみに特例子会社であっても、一部の企業はグループ会社の適用を受けていないところもあります。理由はこの記事を書いてる時点では分かりません。苦笑
[追記]
便利な制度だと思っておりました特例子会社の制度ですが、伊藤忠ユニダス(伊藤忠の特例子会社)の当時の社長の笠井敦夫氏の興味深い思いを知ることができました。
こちらの特例子会社はグループ適用を受けていません。
その理由の一つになるのではないかなというのが、笠井氏が言う「障害者を雇用していない会社の意識低下や無関心に繋がるのではないか?」というもの。
メリットもあるが、例えば傘下に多数の関連会社を抱えた大きなグループの場合、どの会社を障害者雇用率のグループ適用の対象にするか、選択が難しいということも書いてありました。
ちなみにこの記事は2004年(2014年時点で見ると、10年前)のものです。2002年に障害者雇用促進法の改正があったので、その2年後ということで、当時と現在(10年後)では、状況もだいぶ変わってると思いますが、伊藤忠は現在でもグループ適用をしていないところを見ると、当時の社長の考えが現在もそのまま引き継がれているのかなって、素人ながら考えています。